2011年10月06日
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三百字小説『スピード・オットセイ』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 オットセイはスピード狂だった。どんな動物が運転する車にも負けない自信があった。付いたあだ名が『スピード・オットセイ』だ。

 ある日、オットセイはレースに出た。ファンの多くが『スピード・オットセイ』に声援を贈った。

 だが、丘の向こうでクラッシュ事故が起きて事故車がコースを塞いでいた。客席からそれはよく見えたがオットセイからは見えなかった。

 ファン達は心配して「スピード落とせ」と叫んだ。しかし、『スピード・オットセイ』と声援されたと誤解したオットセイはアクセルを踏み込んだ。

(遠野秋彦・作 ©2011 TOHNO, Akihiko)

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